地方の皆さんこんにちは!宮崎県椎葉村の地域おこし協力隊OBのうちむらです。
人生100年時代、副業やら複業やらパラレルキャリアやらリモートワークやら二拠点居住やらワーケーションやら色んな言葉が出てきていますが、これらをまとめると「働き方や暮らし方の自由化」という一言に集約されると思います。
そんななかで、新たな人生の選択肢として地域おこし協力隊が世間一般にも認知されてきていますが、今回は全国の地域おこし協力隊員がそれぞれどんな目的で着任しているのかをアンケート調査から紐解き、4タイプに分類してみます。
田舎暮らしをしている皆さんは、自分がどのタイプに当てはまるか考えてみてください。
仕事のやりがいを求めて地域おこし協力隊になる人が大半
総務省が令和3年3月にまとめた『地域おこし協力隊に関する調査 調査研究報告書 』がネットに挙げられています。回答者数は全国の現役地域おこし協力隊1,555人。
▼総務省『地域おこし協力隊に関する調査 調査研究報告書 』
http://www.iju-join.jp/f-join/R2kyoryokutai_questionary_report.pdf
興味深いデータが色々あるのですが、その中でも協力隊に応募した理由について見てみたいと思います。結果はこんな感じ。
Q2 あなたが「地域おこし協力隊」に応募した理由は何ですか
「総務省 令和2年度地域おこし協力隊に関する調査 調査研究報告書」より引用
回答割合のランキングで並べ直すと、
1位 自分の能力や経験を活かせると思ったから 55%
2位 活動内容が面白そうだから 51%
3位 地域の活性化の役に立ちたかったから 48%
4位 田舎暮らしや地方での暮らしにあこがれがあったから 38%
5位 現在の任地への何らかの繋がりがあったから 36%
こんな感じです。複数回答可の設問ですが、回答した地域おこし協力隊員のうち半数以上が能力や経験、活動内容の魅力といったキャリア面に重きを置いていることになります。
アンケートから見える4タイプ
回答内容をまとめると、地域おこし協力隊になる理由の大きな軸として①キャリア軸、②暮らし軸の2つが見えてきます。これを表にまとめると次のようになります。横軸がキャリア、縦軸が暮らしです。
(総務省資料をもとに内村が作成)
こんな具合に、次のようなおよそ4タイプの人がいるのではと考えられます。
①キャリア・やりがい系
地域活性化、起業、活動内容の魅力などで協力隊になった人たち。最も多いです。ハマれば活躍できる一方、仕事内容とのマッチングがうまくいかないと新たな活躍の場を求めて転出していきます。
②とにかく住みたい系
田舎暮らしへの憧れ、着任地への憧れやつながりなど、仕事よりも暮らしの面で地方に魅力を感じる人たちです。地方ではそもそも普通の求人情報がなかったりするので、移住するための手段として協力隊を選んでいます。暮らしの面ではうまくいくことが多いので、あとは協力隊の仕事に順応できるかどうかが試されます。
③何かからの逃避系
現代社会の荒波に揉まれて何かを見失ってしまった人たちです(潜在的にはけっこう多そう)。特にその地域に住みたいわけでもないし協力隊の活動内容にもそこまでこだわりはないんだけど、とにかく都会の生活や今の仕事から抜け出したいということで協力隊を選んでいます。
ある意味、ここをいかにすくい取って人材の再生みたいなことをできるか、というのも地方の役割かもしれませんね。
④ハイブリッド移住系
地域へのこだわり+活動内容の魅力ということで、協力隊の任期終了後も定住ないし地域に関わり続けてくれる可能性が高い人たちです。自分がここに当てはまるという人は非常にラッキーですね。
地方自治体の移住戦略としては①、②、③の人たちを移住してからいかに④に持っていくか、という視点が重要だと思います。
まとめ:自分の立ち位置を客観視してみよう
以上、地域おこし協力隊の応募理由から協力隊員を4タイプに分類してみました。協力隊に限らず、地方に住んでいる人たちはみんなこの中のどこかに当てはまるのではないでしょうか。
地方移住する側も受け入れ側も、こうして分類してみると自分たちのことを客観視できて、気づくことも色々とあるのではと思います。今後の参考にしてみてください。
(ちなみにぼくは、タイプ②→④へ協力隊の任期中に遷移することができました)